価値のある中国骨董品の特徴とは？？

一口に中国骨董品といっても、絵画や掛け軸をはじめ、陶磁器や漆器あるいは印材など、幅広く様々なジャンルがあります。

特に中国骨董品の中でも、陶磁器や書画については、人気のあるジャンルとして知られます。このため、市場での価値も高くなるのが一般的。さらに作品の特徴やコンディション、作家の有名度や付属物の有無など、多角的な要素によって価値が決まっていきます。

中国の陶磁器の歴史は古く、三彩や白磁をはじめ、青磁や青花あるいは五彩といった、世界でも稀にみるハイクオリティな陶磁器が生み出されてきました。これらの陶磁器は、コレクターの間では人気が高く、市場では高値で取引されることも珍しくありません。

さらに書画についても、斉白石や呉昌碩といった有名な書家の作品については、取引価格も桁違いに高くなります。また書家の場合には、篆刻家としても活躍しているケースが多く、有名な書家の篆刻作品であれば、やはり高値で取引される傾向にあります。

先述したように、中国骨董品の価値の高さは、人気ジャンルであることに加え、多角的な要素によって価値が決まります。

まず価値の高い中国骨董品の特徴としては、作家の有名度が挙げられます。陶磁器や書画はもちろん茶道具から象牙に至るまで、どんな中国骨董品であっても、それが有名作家の本物の作品であれば、それだけで一気に市場での価値が増します。

高値で取引される中国骨董品には、有名作家のものであることを証明する、何らかの「銘」があるケースがほとんどです。有名作家のものあるかどうかは、作品の底部や側面あるいは表面等に記されている、作家の記銘や刻印の有無で判断します。

これは作品の付属物である、共箱や鑑定書からも判別できる場合があります。したがって、もし高値で売りたい中国骨董品に、共箱や包装紙または鑑定書等が付属しているのであれば、たとえそれがボロボロの状態であったとしても、決して廃棄しないように注意しなければなりません。

それらの付属物とワンセットにすることで、中国骨董品の価値が高まることもあるからです。

ただし無銘の作品であっても、製作された時代から由来する歴史的価値や、作品に使用されている素材の質、あるいは技術力の高さなどから、高値で取引されるケースも多くあります。例えば、象牙や翡翠あるいは珊瑚といった高級素材を使用しているのであれば、高い価値がつくことも。

この他にも、陶磁器の絵付けの美しさや、象牙作品の彫りの精巧さなど、専門的に高い技術力であると判断されれば、やはり高値での取引が期待できます。

価値が高いといわれる中国骨董品には、見た目のコンディションが良いことも特徴の1つです。市場で仕入れる業者にとっては、さらに高く売れそうな骨董品を買い取る傾向があるため、見栄えよいものに高値をつける傾向があるからです。

裏を返せば、汚れや変色あるいは破損など、コンディションが悪いものに対しては、なかなか買い手がつかないのが現実です。

仕入れ業者からすると、そのような中国骨董品を店頭に並べても、高値での売買が期待できないからです。これはネットオークションに出品するにしても同じこと。掲載する写真の見栄えが悪いため、やはり高値で売り抜けることが難しくなります。

このように中国骨董品の価値を高めるためには、普段からできるだけ最善のコンディションを維持する必要があります。

とはいえ、骨董品の汚れや傷を修復するために、素人の方は決して自力で手を加えてはいけません。

何でもないような汚れを拭いて、絵柄を剥がしてしまったり、傷を修復したつもりが、かえって傷を拡げてしまうなど、思わぬトラブルを引き起こすからです。

こうなってしまった中国骨董品を買取業者の査定に出しても、大幅に減額されることは目に見えています。したがって、所有している中国骨董品に汚れや傷を見つけても、慌てて手を出さずに、とにかく専門業者へクリーニングや修復を依頼することが無難です。

最後に意外かもしれませんが、日本で保管されていたという事実も、高い価値をつける中国骨董品の大きな特徴です。中国で保管されているものに比べ、日本で保管されている中国骨董品の方が、はるかにコンディションの良好なケースが多いからです。

日本では温度や湿度をきめ細かく管理し、丁寧に梱包して保管している点が、海外の市場でも高く評価されていると言ってよいでしょう。

高い価値をつける中国骨董品には、必ずそれなりの特徴があります。そしてその特徴のほとんどが、市場価値に左右されているといっても、過言ではありません。

つまり市場が何を求めているのかを理解することによって、高く評価される中国骨董品の特徴や傾向も知ることができるのです。

もちろん経験や知識に乏しい素人がこれを判断するのは、なかなか難しいものがあります。特に、高値で取引される中国骨董品には、本物と見分けがつかないほど、精巧なニセモノが多く出回っているのが現状です。

もし中国骨董品の取引を検討しているのであれば、素人判断で後悔しないためにも、まずは信頼できるプロの鑑定士を見つけることが、重要なスタートになります。