中国骨董品の種類について
中国は、「4000年の歴史」という言葉があるほど、長い歴史を有する国です。その間、伝説の夏王朝から中華人民共和国に至るまで、幾多の王朝が誕生してきたわけですが、それぞれに特徴のある文化を有していることから、中国の骨董品は非常にバラエティ豊かで、高く評価される品物が数多くあるのです。
もっとも、一言で骨董品といってもその種類は一通りではありません。一般的には壺や仏像などを思い浮かべがちですが、その種類は様々であり、例えば絵画や陶磁器、ものによっては掛け軸や着物に至るまで幅広い品物が骨董品として扱われています。
では、そのような骨董品には、具体的な定義は存在するのでしょうか?実は意外に知られていませんが、骨董品とは100年以上の時間が経過している手工芸品、工芸品、美術品という定義が存在しています。これは、アメリカの通商関税法という法律によって定められているもので、これにならって欧米各国においても概ね同様の定義が設けられています。
ただし、日本や中国においては、そこまで明確な定義は存在しておらず、実際には数十年以上の年月を経ている物であっても骨董品として扱われることが多いようです。
種類別で中国骨董品についてに解説します
では、ここからは中国の骨董品について、種類ごとにその特徴を見ていくことにしましょう。
中国掛け軸
中国掛け軸は、中国の作家が制作したり、中国に由来する技法によって制作された掛け軸です。
中国で掛け軸の歴史が始まったのは、11世紀前後であるとされていますが、それ以前から存在していたとも言われています。当初は、主に仏画が描かれた物が多かったのですが、その後は風景画や人物画なども描かれるようになりました。
呉昌碩や斉白石といった著名な作家の作ともなると数百万円という高額で売買されるものも珍しくありません。
もっとも、そういった掛け軸は非常に稀少であるため、そう簡単に手に入れることはできません。
玉
玉(ぎょく)というのは、中国において美しい石を指して呼ぶ言葉です。
美しい石というと、ダイヤモンドやサファイアなどの宝石をイメージしがちですが、中国において伝統的に玉として扱われているのは翡翠、琥珀、瑠璃、瑪瑙といったものです。
必ずしも石ではありませんが、珊瑚や真珠なども玉であるとみなされています。これらの中で、もっとも価値があるとされているのが翡翠であり、中国では運よく掘り当てることができればそれだけで大金持ちになることもあると言われています。
青磁・白磁
陶磁器は中国の骨董品の中でも人気の高い物の一つです。
その中でも、純白で透明感のある白磁と鮮やかなエメラルドグリーンの色彩が特徴の青磁は特に高く評価されています。青磁は紀元前には既に作られており、鉄を含んだ釉薬を用いることで独特の青い色合いを出しています。
一方の白磁は、6世紀ごろから作られ始めており、鉄分の入っていない釉薬を使用し、絶妙な温度で焼き上げることによって美しい白色を出しています。
また、唐時代に誕生した、唐三彩という技法は、焼きの行程を2回に分け、最初に原型を作って素焼きし、次に釉薬を塗って再度焼き上げるというもので、その後中国の陶磁器の代名詞として世界中で広く知られることになりました。
書画
日本でも江戸時代以前の高名な作家による書画は高く評価されていますが、これは中国においても同様です。
特に、中国には、詩書画三絶と呼ばれる、詩、書、画の3つは密接に関係しており、切り離すことができないという考え方があり、この3つを一つの作品に盛り込んだものが数多く制作されています。
一方、王羲之に代表される書家の手による書も骨董品として高い価値を有しており、ものによっては国宝級のものも存在しています。
彫刻
彫刻は骨董品の中でも代表的なものの一つです。彫られる対象となる物は多種多様ですが、特に中国の彫刻に多いのは仏様の姿が彫られた仏像です。
作られた時代によって特徴は様々ですが、価値のあるものになると数十万から数百万円で取引されることも珍しくありません。
堆朱
堆朱というのは、土台に漆を何重にも塗り重ね、その上に文様を施すという中国ならではの技法で、10世紀から13世紀にかけての宋の時代に広く用いられました。
作品を作り上げるのに多大な時間と手間がかかることから、当時から高級品として扱われてきました。そのため、中古品買取業者に持ち込めば数十万円という高額で買い取ってもらうことができるものも少なくはありません。
骨董品の種類を理解して趣味の幅を広げよう
以上で見てきたように、一言で中国の骨董品と言っても、その種類は実に多種多様で、それぞれに異なる特徴があります。
中国骨董品は非常に奥の深い世界であり、中国の歴史や文化、人物などと紐付けて知識を広げていくと、それだけで時間をかけて楽しむことができる趣味にもなります。
また、造詣を深めることで本物を見抜く力を身に付ければ、価値のあるものを安価で手に入れることも不可能ではありません。それを売れば大きな利益を手にすることができるため、中国骨董品は、実益を兼ねた趣味にすることができる貴重な分野であるということもできるでしょう。
ただし、中国では骨董品の国外への持ち出しを厳格に管理していることから、必要な手続きを経ずに持ち出さないように注意する必要があります。
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